映画化希望

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2008年05月08日

■その13
 次の日、いつもと変わらず家に遊びに来たジェシカに、セバスチャンはさっそく昨日の事を話した。
「ジェシカ。昨日の夜、お母さんにジェシカのお誕生日の事を話したんだ。そしたら、ジェシカのお父さんが忙しいんだったら、僕とお母さんで一緒にお誕生日を祝おうって言われたんだ。だから、僕たちと一緒にお誕生日をしようよ」
 それを聞いてジェシカは笑顔を浮かべた。
「本当!?でも・・・」
「・・・どうしたの?僕たちとお誕生日するのはイヤなの?」
 ジェシカは少し困った顔をしていた。
「ううん・・・、違うの。お父さんがダメって言うかもしれないから・・・」
 ジェシカはセバスチャンの予想と違って、素直に喜んでいないみたいだった。セバスチャンはがっかりした。だけど、ジェシカのお父さんがいいって言ってくれたら大丈夫だと前向きに考えた。
「それってジェシカのお父さんがいいって言ってくれたら大丈夫だよね」
「うん。でも、お父さん、セバスチャン達の事知らないから、ダメっていうかも・・・」
「・・・そっか。僕たちの事知らないとダメなのか・・・」
 セバスチャンはしばらく考えた。そして、頭の中にピーンといいアイデアが浮かんだ。
 セバスチャンはにっこり笑ってジェシカに言った。
「だったら大丈夫だよ。きっと一緒にお誕生日できるよ」
「・・・ほんと?」
「うん。大丈夫!まかせて」
 何だかよくわからないけど、セバスチャンは自信たっぷりだった。セバスチャンの笑顔を見てると、うまくいきそうな気がしたので、ジェシカは少しだけお誕生日が楽しみになった。
 セバスチャンはその日、マリアが家に帰ってくると、一つお願いをした。
「お母さん。ジェシカのお父さんに僕たちの事を教えてあげて」
 マリアは急に変な事を言われたので、少し驚いた。
「え!?どうゆうこと?」
 セバスチャンはにっこり笑った。
「だからー。僕たちの事、教えてあげるだけでいいんだよ。それで大丈夫なんだよ」
「教えるだけでいいって・・・。お父さんにダメって言われたの?」
「ううん。言われてないけど・・・。ジェシカのお父さんが僕たちの事を知らないから、ダメって言うかもって言ってたんだ。お母さんもよく言ってるよ。知らない人に話しかけられたら、挨拶はしないといけないけど、付いて行ってはダメって。悪い人かも知れないからって。でも、僕たち悪い人じゃないから、大丈夫なんだよ」
 マリアはようやく理解した。ジェシカのお父さんはジェシカの事を心配しているんだ。よくよく考えてみると、それはもっともな事だと思った。だけど、本当はお父さん自身がジェシカと一緒にお誕生日を過ごすほうがいいと思っていた。そっちのほうが、ジェシカとお父さんにとって、とても大切な日になると思っていた。
「わかったわ。ジェシカのお父さんに電話してみるわ」
 マリアはそう言って、電話機の前に移動して、一呼吸おいてから、ジェシカの家に電話をかけた。ジェシカの家の番号は、もしもジェシカに何かあった時の為に、以前教えてもらっていた。
 トゥルル・・・
 トゥルル・・・
 トゥルル・・・
 突然ガシャと音が鳴って、電話から「もしもし?」と男性の声が聞こえた。
「もしもし?夜分遅くすみません。私、ジェシカちゃんのお友達のセバスチャンの母親でマリアと言います。ジェシカちゃんのお父さんですか?」
 電話の相手は少し暗い感じだった。
「はい。そうです」
「あの・・・。突然なんですけど、お願いがありまして」
「・・・なんでしょうか?」
「ジェシカちゃんの誕生日の事なんですけど」
「・・・」
「ジェシカちゃんのお誕生日はお父さんがお忙しいと息子から聞きまして。それで、私の家でお誕生日を祝ってあげようかなと思っているのですが」
「・・・」
「・・・あの。本来だったら、お父さんと一緒に過ごしたほうがいいと私は思っているのですが。お仕事なんですよね?」
 ジェシカのお父さんは重たい口を開いた。
「・・・そうですね。その日は忙しくて無理なんです」
「どうしても無理ですか?」
「・・・無理です」
「ジェシカちゃんが悲しむかもしれませんよ?」
「いえ。あの子は大丈夫です」
「一緒に私の家にいらっしゃいませんか?そのほうがジェシカちゃんも喜ぶと思うんですけど」
「だけど、無理なんです。それに、あの子は私にあまりなついていないんですよ・・・。私がいなくても、大丈夫ですよ」
 マリアの声は少し大きくなった。
「そんな事ないと思いますよ。いなくてもいいなんて、絶対、そんな事ないですよ!」
「と、とにかく本当に、忙しくて無理なんです」
「本当に無理ですか?」
「本当に無理なんですよ・・・」
「・・・じゃあ。私の家で祝ってあげても構いませんか?」
 ジェシカのお父さんは少し考えている様子で、しばらく黙った後、こう言った。
「わかりました。ご迷惑をおかけして申し訳ありません。ジェシカには私から伝えておきますので。では・・・」
 そして、電話は切れてしまった。
 突然、電話を切られたのでマリアは少し腹が立った。娘の誕生日をほったらかしにするほど忙しい事なんて、一体何をするつもりなんだろう思った。だけど、それでもお父さんの許可が下りてよかったと思った。
 セバスチャンのところに戻ってきたマリアはOKのサインを出しながら言った。
「ジェシカのお父さんはOKだって。でも、お父さんはやっぱり忙しくて無理みたい。でもまあ、楽しいお誕生日にしましょうね」
 セバスチャンはマリアの話を聞いてすぐに大喜びした。
「本当!?やった!ありがとうお母さん!」
 マリアはほっとして、静かに椅子に座り込んだ。セバスチャンはマリアとは正反対にはしゃいでいた。
「うん。そうだ。何かプレゼントを考えないといけないわね」
 セバスチャンは少し驚いた顔をした。
「え!?プレゼント」
「うん」
「・・・そっか。お誕生日って事は、プレゼントをあげないといけなかった」
「そうよ。じゃないと、ジェシカはがっかりしちゃうわよ」
「うん。そうだよね・・・」
 セバスチャンはジェシカへのプレゼントを考えてみた。でも、自分は目が見えないから、ジェシカの喜んでくれるプレゼントを見つけられないと思った。
「プレゼントどうしよう・・・。僕は今まで誰にもプレゼントをあげた事ないよ」
 困っているセバスチャンの様子を見て、マリアは言った。
「じゃあ、私と一緒にプレゼントを考えよう。セバスチャンの知っているジェシカの事をいっぱい教えて。一緒に協力してジェシカを喜ばせてあげよう」
「え!?本当?お母さんが一緒に考えてくれるの?」
 マリアはにっこり笑った。
「うん。もちろんよ!」
 セバスチャンはお母さんが協力してくれれば、きっとジェシカの喜ぶプレゼントが見つかると思った。
「わかった。一緒に考えてね!」
 セバスチャンはジェシカの事を思いつくだけマリアに話した。マリアはそれをメモに取っていって、どんなお誕生日にするかを2人で話し合った。セバスチャンはジェシカが喜んでいる様子を想像して嬉しくなった。マリアもセバスチャンと一緒に考える事がなんだか楽しかった。2人とも盛り上がって夜遅くまで話し合ってしまったので、その日も寝るのが遅くなってしまった。
 次の日、ジェシカはお誕生日の事をセバスチャンに会う前から知っていた。昨日の夜に、ジェシカのお父さんが話していたからだ。
 ジェシカはすっかり元気を取り戻していて、2人はその日からお誕生日の事で頭がいっぱいになった。もう待ちきれなくて、「明日にでもやろうよ」とセバスチャンが言うと、ジェシカは「それじゃお誕生日じゃなくなっちゃうよ」と楽しそうに笑った。
 セバスチャンは本当に待ちどうしくて、寝る前になったらマリアに「後、何日かちゃんと覚えてる?」と聞いた。マリアはそれを聞いて「忘れていないから大丈夫だよ」と安心させてあげた。
 そして、ついにお誕生日の日がやって来た。
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■コメント

■やっと読み終わったよ(=゜ヮ゜) [かたな]

はじめまして(=゜ω゜)ノシ
ちょっと前にリンクを乗り継いでやってきました。

絵本のような、とても読みやすくて、すんなり頭に入ってくる文章だと思いました。
そしてほのぼのとします(=゜ω゜)

かたなは心温まる読みやすい文章をおーえんします。
がんばってくださぃ(=ゝヮ・)ノシ

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南国特産

Author:南国特産

初めて小説を書きました。
もの凄くヘタですが、もしよろしければ読んでみてください。

感想等、お待ちしています。

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